こんにちは。クラタク(@kuratak05)です。
前回、「VIXが25以上のときに買えば1年後100%利益が出ている」というデータがあることをご紹介しました。
VIX指数は恐怖指数とも呼ばれます。VIX指数の上昇は、恐怖が高まっていることを示すので、その時点の株価は下落しています。このことから「VIX25以上のときに買えば1年後100%利益が出ている」というデータもあります。本当でしょうか。検証します。
そのデータは、リーマンショック後の米国市場を検証したものでした。
リーマンショックなどのリセッション(景気後退)も含めたとしても同じような結果が得られるのでしょうか。
2022年2月現在、足元の市況は悪いです。
悲観論が溢れています
これからリセッション(景気後退)に突入した場合、
先週や来週、そして今後、VIX25以上のタイミングで買ったポジションは、1年後利益が出ているのでしょうか。
今回は、リーマンショックを例に検証します。
結論
通常時とリーマンショック時は景色が違う。
リーマンショック1年前とリーマンショック中でも景色が違う。
検証条件
期間
リーマンショックの期間は、全米経済研究所によると、
「2007年12月~2009年6月(18ヵ月)」とされています。
そこで今回、検証する期間を2つに分けます。
- 【リーマンショック】
2007年12月~2009年6月 - 【リーマンショック1年前】
2006年12月~2007年11月
なぜ、「リーマンショック1年前」を検証するのか
もし、2022年2月現在がリセッション1年前だった場合、VIX25以上のタイミングで買った翌年、リセッションに突入しても上昇しているのか
・・・いや、おそらく上昇していないだろう。
では、どれくらいの基準だと上昇しているのか。
ということが気になったからです。
検証方法
- VIX25以上のときのS&P500指数・Nasdaq100指数とその1年後の各指数を比較します。
- 1年後の該当日が休場等により指数が拾えなかった場合は省きます。
検証結果
【リーマンショック中】2007年12月~2009年6月
S&P500は、VIX40以上だと、ほぼ上昇
Nasdaq100は、VIX35以上で100%上昇
S&P500
- VIX 25~30
- 46営業日のうち📈11回📉35回
- VIX 30~35
- 29営業日のうち📈22回📉7回
- VIX 35~40
- 22営業日のうち📈17回📉5回
- VIX 40~45
- 33営業日のうち📈33回📉0回
- VIX 45~50
- 20営業日のうち📈18回📉2回
- VIX 50~55
- 13営業日のうち📈12回📉1回
- VIX 55以上
- 32営業日📈全て
Nasdaq100
- VIX 25~30
- 46営業日のうち📈11回📉35回(S&P500と同成績)
- VIX 30~35
- 29営業日のうち📈25回📉4回
- VIX 35以上
- 120営業日📈全て
【リーマンショック1年前】2006年12月~2007年11月
S&P500は、VIX25以上でも全て下落
Nasdaq100は、VIX30以上で50%上昇
VIX35以上は発生しなかった。
S&P500
- VIX 25以上
- 15営業日📉全て
Nasdaq100
- VIX 25~30
- 13営業日のうち📈4回📉9回
- VIX 30~35
- 12営業日のうち📈1回📉1回
リーマンショック1年前はボロボロ
リーマンショックの1年前では、VIX25以上であっても、1年後に株価指数下は落している可能性が高いです。
S&P500は、100%下落。
Nasdaq100は、33.33%下落
よって、VIXはタイミング投資に機能していないということになります。
買った1年後はリセッションに突入しているので、当然と言えば当然です。
ちなみに、VIX35以上は発生していませんでした。
一方、リーマンショックに突入すると、VIXは機能します。
S&P500は、VIX40以上で、ほぼ上昇
Nasdaq100は、VIX35以上で、100%上昇
ちなみに、VIX80越えの日が2日ありました。
これらのことから、VIXで投資タイミングを計ろうとした場合、
足元の市場ががどんな状況なのかということが重要になります。
- 通常期
- リセッション1年前
- リセッション中
これらのどの期間に当たるのか
ということが重要です。
今回はリセッションの1例として、リーマンショックを検証しました。
次回は、特にNasdaqが見るも無残だったITバブル崩壊の期間を検証します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日をお過ごしください。
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